新しい発想の顕微鏡
現行の食品調理加工施設などでの微生物の観察については、そのサンプルを採取して別室において調整及び培養の過程を行い顕微鏡で観察しています。しかし、この方法は長時間を要するため、簡単に確認できる手法が求められていました。携帯形微生物観察器は、現場ですぐに観察が可能となることから、食品加工施設を始め、医療施設、飲食店、教育施設など幅広い分野で活用されることが期待される簡易検査ツールです。 食品、医療、畜産、農業、水産など広範囲な産業での使用が可能で、現場で簡便に微生物の観察ができ、安全・衛生管理面のサポートにつながることが期待できます。
(経済産業省 携帯形微生物観察器に関するJISを制定しましたより引用)
顕微鏡は微生物を観察するツールです
微生物の存在は私たちの日常生活においてとても関わりが強いのです。
しかし、これらの目には見えない微生物がどのように私たちの健康や環境に影響を与えるかを理解することは、しばしば困難です。
それは、微生物は肉眼ではその存在を見る事ができないからです。
例えば、食中毒や歯周病といった一般的な健康問題は、これら見えない微生物の直接的な結果です。
そこで、携帯形微生物観察器「見る菌」の重要性が浮かび上がってきます。
この革新的なデバイスは、私たちが普段見過ごしがちな微生物の世界を「見える化」することで、これまで気づかなかった問題やリスクを明らかにします。
例えば、食品工場や飲食店の厨房に潜む細菌や、私たちの口腔内に存在する潜在的に有害な微生物、さらには公共スペースでの微生物の蔓延など、これらの知識は私たちが衛生的な環境を維持する上で不可欠です。
「見る菌」を使用することで明らかになるこれらの問題は、課題解決の糸口となります。
微生物の「見える化」は、適切な洗浄・殺菌方法の確立、予防措置の強化、さらには早期の健康問題の発見につながります。
このように、「見る菌」は目に見えない微生物の世界を理解し、それに基づいて行動するための強力なツールと言えるでしょう。
「見る菌」の特徴
現場に持ち運びができる
これまで顕微鏡は研究室や実験室に置かれており、現場で微生物をリアルタイムに観察するという事が出来ませんでした。「見る菌」は、見たい場所で見る新しい発想の顕微鏡です。
プレパラートを使わない
微生物を観察するには、先ずはプレパラート(スライドグラス・カバーグラス)を作成する必要がありますが、「見る菌」はプレパラートは不要です。 理由は簡単。 食品工場や飲料工場などには、プレパラート等のガラス製品を持ち込むことはできません。だから(ですので)プレパラートを使用しない設計をしました。 例えば、運動性細菌がいた場合、プレパラートで挟まれることがないので、自由に動き回る姿を観察することができます。
スマホで観察&撮影(リアルタイム・動画、写真)
「見る菌」はスマートフォンの大画面で観察する新しいタイプの顕微鏡です。スマートフォンの拡大機能や また、観察しながら動画や写真を撮影する事ができます。さらに、タイムラプスやスローモーションでも撮影する事ができるので、目的に応じた観察や記録ができます。
微生物に焦点を当てた光学設計(光学倍率1,000倍)
「見る菌」は、1〜200μmの微生物や微細な白血球などを対象とした顕微鏡ですので、1,000倍に固定したレンズ仕様になっております。
データ共有も簡単
撮影した動画や写真データをクラウドやメール等で簡単共有。また報告書やプレゼン資料などに貼り付ければ、わかりやすい資料に早変わり。
使い方が簡単(ピント合わせ不要)
「見る菌」は固定焦点になっているので、高度な手技や専門知識がなくても、はじめて使う人でも簡単に観察できます。
伝えたい人に見せる(視覚的情報:メラビアンの法則)
人は視覚的な情報が1番多いとされております。しかし細菌類は肉眼では決して見る事ができません。「見る菌」を使えば、その存在すら見えなかった細菌類を“見える化“できます。まさに「百聞は一見に如かず」です。
JIS規格(信頼の品質)
2019年3月20日に「見る菌」をモデルとしたJIS規格が携帯形微生物観察器(JIS B 7271)として制定されました。